ChatGPT Computer History と DejaVu を比較
2026年8月から、Mac 版 ChatGPT はコンピュータでの作業を覚えておけるようになりました。そのしくみは、画面の記憶とはまったく異なります。Computer History が何を残し、それがどこへ送られるのか、そして DejaVu との違いを、OpenAI 自身のドキュメントに基づいて紹介します。
要点
- Computer History は、インタラクションイベント(クリック、入力、ショートカット、アプリの切り替え)と、アクセシビリティを通じて公開されるテキストを記録します。スクリーンショットも音声も取得しません。
- イベントファイルは OpenAI のサーバで処理されて「メモリー」が生成され、Mac に Markdown ファイルとして保存されます。OpenAI によれば、このファイルは Computer History によって暗号化されません。
- DejaVu は、画面の圧縮画像とそのテキストを残し、Mac の中で読み取ります。入力した内容を残すことはなく、Touch ID で開きます。
この記事は DejaVu の開発チームが書いています。公平を期すため、ほかの製品についての記述にはすべて公開情報の出典をつけています。
OpenAI の Computer History は、よく「ChatGPT の中の Rewind」と表現されます。でも実際は、少し違います。そしてその違いは、自分の作業内容がどこへ行くのかを気にする人にとって重要です。
Computer History がすること
OpenAI のドキュメントによると、Computer History は Mac 版 ChatGPT アプリのオプトイン機能です。2026年4月に Codex のリサーチプレビューとして公開され、スクリーンショットを撮っていた Chronicle に代わるもので、OpenAI は Computer History を「名前を変えただけでなく、作り直したシステム」と説明しています。
- 収集するもの: 許可したアプリやサイトでのインタラクションイベント(クリック、入力、キーボードショートカット、アプリの切り替え)と、それらのアプリが macOS のアクセシビリティを通じて公開するテキストやコンテキスト。履歴にスクリーンショットは含まれず、マイクやシステムの音声は記録せず、プライベートブラウズでの操作も一切含まれません。
- 送られる先: イベントは Mac 上の一時ファイルに集められ、48時間後に削除されます。OpenAI のサーバ上の一時的なセッションがこれらのファイルを処理し、「メモリー」を生成します。OpenAI によれば、法的に求められる場合を除き、処理後にファイルは保持されず、学習にも使われません。
- Mac に残るもの: 生成された「メモリー」。Computer History によって暗号化されない Markdown ファイルとして保存されます。OpenAI は、同じ macOS ユーザーとして動くほかのプログラムが、これを読める可能性があると記しています。
- 使える人: ChatGPT Pro、Business、Enterprise。初期設定ではオフで、Business と Enterprise では、まず管理者の承認が必要です。
比較表
| ChatGPT Computer History | DejaVu | |
|---|---|---|
| 残すもの | 許可したアプリでのインタラクションイベント(クリック、入力、ショートカット、アプリの切り替え)と、画面上のテキスト | 画面が変化したときの圧縮画像と、そのテキスト |
| スクリーンショット | なし | あり。圧縮して Mac の中に |
| 入力した内容 | 記録する(「入力」) | 一切残さない |
| 音声 | なし | なし |
| 処理 | OpenAI のサーバで、一時的なイベントファイルから | Mac の中で、Apple の文字認識技術を使って |
| Mac での保存形式 | Markdown の「メモリー」ファイル。Computer History による暗号化なし | 暗号化された記憶。鍵は Secure Enclave で保護 |
| 振り返る方法 | ChatGPT を通じて | Touch ID、または選んだレベルに応じてパスワード |
| 目的 | ChatGPT との会話のためのコンテキスト | 何かを見た、まさにその瞬間を見つけること |
| 価格 | ChatGPT Pro、Business、Enterprise に含まれる | 3日間の記憶つきで無料。Pro は買い切り $79、$9/月、または $59/年 |
記憶についての、2つの異なる考え方
Computer History は、ChatGPT のための記憶です。あなたが何をしていたかをアシスタントが把握できるようにして、続きから再開するよう頼めるようにします。そのためには作業内容を OpenAI に送って処理する必要があり、入力した内容も残します。入力も、あなたがしたことの一部だからです。
DejaVu は、あなたのための記憶です。見たものを正確に残し、もう一度見つけられるようにします。伝票番号、エラーメッセージ、書類の中の一段落。そのために1日の出来事をサーバで理解する必要はないので、どこにも送りません。そしてキーボードではなく画面を記憶するので、普通の入力欄に打ったパスワードや、書いてから消したメッセージは残りません。
どちらのアプローチも、すべての人にとって「正解」というわけではありません。ChatGPT に自分のコンテキストを把握してほしく、OpenAI が作業内容を処理することに抵抗がないなら、Computer History はそれをうまくこなします。Mac の外へ決して出ないプライベートな記録が欲しいなら、ローカルの画面の記憶のほうが合っています。
ひとつの問いで選ぶ
自分に問いかけてみてください。「この記憶は、誰のためのものか?」 答えが「AI アシスタントのため」なら、Computer History はそのために作られています。答えが「自分のため」なら、Mac の中に残し、ロックをかけ、入力した内容を決して記録しないアプリを選びましょう。プライバシーチェックリストは、どちらにも使えます。
よくある質問
ChatGPT Computer History とは?
2026年8月に登場した、Mac 版 ChatGPT アプリのオプトイン機能です。コンピュータでの作業を、ChatGPT がコンテキストとして使える「メモリー」に変換します。ChatGPT Pro、Business、Enterprise の各プランで利用できます。
ChatGPT Computer History は、キー入力を記録しますか?
OpenAI のドキュメントによると、許可したアプリやサイトでのクリック、入力、キーボードショートカット、アプリの切り替えなどのインタラクションイベントを記録します。The Next Web などの報道では、これをキー入力の記録と表現しています。
Computer History は、ヨーロッパで使えますか?
2026年8月の提供開始時点では使えませんでした(The Next Web)。現在の OpenAI のドキュメントでは、EEA(欧州経済領域)、スイス、イギリスを含む対応地域で利用できるとされています。
ChatGPT Computer History をオフにするには?
初期設定ではオフです。オンにした場合は、メニューバーから一時停止するか、ChatGPT アプリの設定でオフにでき、利用を許可するアプリやサイトも管理できます。最新の手順は、OpenAI のヘルプページをご覧ください。
DejaVu と ChatGPT は、一緒に使えますか?
使えます。両者が連携することはありません。DejaVu は、ChatGPT も含め、記憶をどこにも送りません。
出典
- Computer History, OpenAI
- OpenAI’s new ChatGPT feature logs your keystrokes and stores them in plain text, The Next Web · 2026年8月16日
- OpenAI’s Computer History turns your clicks and keystrokes into a searchable ChatGPT memory timeline, The Decoder
- OpenAI’s Codex for Mac now watches your screen to build context, but sends the screenshots to its servers first, The Next Web · 2026年4月20日
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